2022.3.31
ご利用者(元訓練生)・Aさんより
私は23歳の男性で発達障害の特性があり、2年前に障害者手帳を取得しました。
杉並区障害者雇用支援センター(就労移行支援事業所)の通所訓練から、週3日の短時間就労を経て現在は週5日働いています。今回は当時のことなどを少し振り返りながら現況を報告したいと思います。
高校を卒業して3年間は専門学校に通いましたが、就職につながらずクリニックに相談に行きました。そこで、ワークサポート杉並(障害者就労支援機関)を紹介され、併設の杉並区障害者雇用支援センターでの週5日の通所訓練で企業就職を目指すことにしました。
通所訓練ではPCや軽作業、ビジネスマナー向上の座学等のプログラムに取り組みました。軽作業は以前、箱作りのバイトをしたことがあり、自分の好きな時間でした。ただ、就寝時間が遅いため訓練中に居眠りをしてしまうことが多く、生活リズムの改善が課題となっていました。働くためには「仕事中の居眠りはよくない」と思いながらも、就寝前についスマホを見てしまう習慣が中々改善できませんでした。改善できていないのにも関わらずお金は欲しかったので、訓練担当職員に「就職はまだですか」と質問することもしばしばありました。
そんな状況で通所訓練から半年ほど経過したときに、訓練センター長から「まず短時間(週30時間未満)しっかり働いて仕事を休まず行くことができたら、次に週5日の仕事への転職などを考えてみたらどうか」とアドバイスをもらい、短時間の仕事から始めることにしました。仕事内容は高齢者施設内の倉庫を中心とした清掃業務でした。施設の担当者とセンター長から仕事のやり方を教えてもらうと、意外なくらい早く仕事を覚えることができました。ただ、仕事を続ける中でコミュニケーションが苦手ですぐに返事ができないことがありました。また、急に声を掛けられると何かミスでもしたかと心配になることもありました。
仕事を始めて1ヵ月ほどすると、時間に余裕ができて清掃箇所も少しずつ増えていきました。半年後には居室の清掃も行うようになりました。ちょうどその頃、センター長より「仕事をしっかり続けることができているので、週5日の仕事にシフトしたらどうか」と勧められ、この職場では勤務日数が延びそうになかったので違う職場を考えるようになりました。
そして、ワークサポート杉並の別の利用者が以前、働いたことのある職場から障害者求人が出ていることを知りました。その職場は牛めしチェーン店の関連小会社で、仕事内容は従業員の作業着や軍手、ダスターの洗濯でしたが、最初はイメージが持てず職場見学に行って初めて分かりました。職場の担当者の方が良い方だったこともあり、「ここで働こう」と決めて今年の1月から働いています。今ではすっかり仕事を覚えることができ、職場の担当者とセンター長に新たな仕事についての相談をしています。何やら給料も上がりそうなので、さらに頑張りたいと思います。
センターを卒業し、働き始めて1年経ちましたが、私が大事だと思うことは「休まないこと」と「時間を守ること」そして「楽しみを持つこと」です。働き続けていれば仕事も覚えられるし、周りの方も理解してくれると思います。最近では、公営競技(お馬さん)をたしなんでいます。センター長からは「お小遣いの範囲で・・」とアドバイスされていますので、気をつけながら楽しみたいと思います。
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