Ａさんはクリニックの紹介でワークサポート杉並を知り、初回の面談もケースワーカー同席のもとで行いました。口数が少なく、最低限の返事しか返ってこないとの印象を持ち、実際の通所が始まっても同様でした。また生活習慣も就寝時間が遅く、訓練時間中にしばしば居眠りをする姿が見えました。ただし作業については、理解も早く手先も器用でした。
訓練開始後４か月ほど経過した時点でも生活習慣に大きな変化はなく、訓練に来る意味を感じていない様子も見えたので、環境に変化をつける意味で、ちょうど障害者求人が出ていた高齢者施設での清掃作業／短時間就労（週３日×１日３時間）を提案しました。
Ａさんも「お金が欲しい」と話していたので、ちょうどよい機会となりました。仕事の覚えも早く、また休むこともなく働くことができました。働き始める前に、Ａさんには「半年間問題なくできたら、もっと長い時間にトライしてみよう」と話していたので、８か月過ぎた頃から転職支援にシフトしていきました。
印象的だったのが、初めて職場見学に行った帰り道、不安からネガティブになる気持ちに「それはだめ」と葛藤しているＡさんの姿でした。本人なりに頑張ってくれていたことを強く感じました。また、苦手なことを素直に認め、むしろ会社に障害特性として伝えることで仕事上の配慮をしてもらうということをＡさんに理解してもらい、会社にも提案しました。
新しい職場では様々な仕事に取り組めそうなので、今後のＡさんに期待しています。